How to Disappear

この腕は君を抱きしめるものじゃない
この優しさは君を癒すものじゃない


このままでいるも悪くないと
広がる空 溜め息 一つ
どこでも一緒さ 違いはない
ほら わざわざ来てくれた

ふらふらと出歩く 赤い
背の足りない肢体が
甘い香り振りまき横切ってく

摘まれた花が語る
「この子は一人じゃない」
誰も待たない場所にした暁には
いいんだな?

少し優しさチラつかせれば
何故? 微笑み返し
無防備すぎて唆すにも及ばず
物語は進む


この声は君を慰める為じゃない
この瞳は君を騙さない訳じゃない


特定するのは簡単だった
窓ガラス伝うは また赤
どれだけ待っても君は来ない
転がる肉 食い飽きた夜

降り積もるような雨
洗い流さない姿態
汚れた唇をクロスで拭って

萎れた花が語る
「あの子が一人になった」
誰も待たない場所へと
帰ることもないだろう?

満たされるのは心じゃなくて
あぁ これは残飯
無防備すぎた君を追いかけないと
二度と会えない気がした


この腕で君を抱きしめたい訳じゃない
この顔で君を射止めたい訳じゃない

………食べたい訳じゃない
………食べたくない訳じゃない


そもそもが間違いだった
どこにでもある展開を過信していた
終わりはいつも同じ と

粗筋を読み解く前に広がる不思議は
描かれた"そのもの"を
読み解く鍵だった

今までずっと見過ごしていた
誰でなくとも展開に安堵するだろう
訳もなく無自覚で

幸せも不幸せも全ては一秒差
染め上げた その赤に
占められてしまった


………息を止める為じゃない

首に爪中て 牙を向けても
ほら 微笑み返し
無防備すぎた理由がよくわかった
もう戻せない


この腕で君を傷つけたいんじゃない
この牙で息の根を止めたいんじゃない


一つ一つを暖炉へ投げて
あぁ 君が晩餐
無防備すぎた君を追いかけたから
二度と会えない


この気持の名前を俺は知ってる
この姿の俺じゃ側には居れない



2013.09.26
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