その願い事が叶うまで

取り返せ 今 蹴り飛ばせ
まだ見つけてない最果ての檻
奪われたなら取り返せ
その為の覚悟だろう


噴出したのは屋台の林檎飴色した
何かと癖のある鉄臭い糊

どこそこ行く宛てもないまま彷徨える
お前の戻る場所は燃やしてしまおう

悔しさに口を噛み締め手の平握り締め
駄々をこねたくもなる

手付かずのままにしておいて
後に困 理詰めに口ごたえと屁理屈


名前さえ上書いて
もう糊付けし終えた封筒に
今までの事 詰め込んで
帳消しにできるほど甘くない


泣けてくるほどの想いが
あるだけマシだと言えるのならば
この叶わない思いまで
奪わずいてもらえないだろうか


頭上でガタガタぬかす詰の甘い笑い声
不愉快 極まりな 愛しい鼓動

目覚しい景色も狭い中じゃ今日も
昨日も来年も代り映えなどしない

ビニールでできた白い羽が舞う
飛べるのは それが架空だからで

現実を生きたお前なら笑う
馬鹿らしい 何て 羨みながらも


さよならさえも上書いて
まだ落として間もない電源に
いざ指 向けるそれさえも
震えてままならない夜明け前


願い事 叶える為 今
画面の隙間くぐって
俺は幸せだろうか?
傷も消
えず死ぬこともできないまま…

でも取り返す 今 奪い取る
まだ伝えてない最果ての想い

消されても また蘇る
覚悟だろう?

名前さ
え上書かれ
書きから何まで組み替えて
手にす
る重い想いま
消し
去る為の物にはさせない



2012.09.20
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