桜の下
もう亡くなった この木の下で 理解者だった言葉を想ってるんだ
記憶違いじゃなければ確か「その不躾な笑みを木の下で」
極彩色の幾何学模様 そんな言葉で俺が纏められたんだ
勿論それは間違いじゃなく俺の一部であると認めてる
大切なのは気持ちの方で 問題なのは頭の悪さ
主観の違う誰かを含め 理解されるためのご機嫌取り
愛してるとか 大好きだとか それ以外の言葉で表せば
惜しみなく使い込んだ日々を思い出と呼ばせたい
ヒラリと落ちる姿を眺め もう帰れない 距離も縮まりはしない
こんな調子でいつでも俺は後悔のうたばかり口ずさむ
一人だけでいい 充分だよ と 嘘じゃないけど どこか卑屈で
逃げ道ばかり模索し続け 不道徳だと言われ切り落とす
抱きしめるとか 口づけだとか それ以外の好意で表せば
散る前に俺がこの手で首をもいでしまえと思う
全部じゃなくて一部だけでいい それでほんの少し救えるなら
憎らしく 可愛げもなく 愛嬌のない 桜のように散った愛のうた
抱きしめるとか 口づけるとか 具体的な行為を使えれば
いつまでも離さずにいるのに 思い出にしないのに
愛してるから 大好きだから
君を好きになれたその事実が幸せ と
今 口にするから「わかってる」と頷いて 亡くなった木の下で…
2012.03.22
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