鉄の箱
さよならなんて言わないよ?
まだ二人の時間を紡ぎ狂って
憧れてたのは伸びぬ髪?
潰すほど叫んでも嗄れぬ声?
あぁ 爛れを知らない白い肌?
止まる事を忘れた鉄の心臓?
どこで間違えたのでしょう
君が望むものすべて俺達は持て余して
ほら支えきれず落ちていく
憧れてた その箱の中 止まる事を忘れた強い鼓動
落ち着かない瞼の裏側に
今 誰が映っているのか教えてほしい
憧れては ほら褪せていく
永遠などなく命は巡る
次 いつ会えるのかわからない
その時間を僕等も俺も私も
大切にできるでしょう?
その為の距離じゃないか
ねぇ 近くにいるだけじゃ
見え難くなるよ 立ち位置が
いつかすべて終わってくれる事 何もかも捨ててみようにも すべて投げ出せるほどに身軽じゃなくて
人が永遠なんて口にするのは
すべてが終わるまでの
暇潰しを兼ねた本気
夢中になれてしまうほど
それ自体がもう
証拠になってるはずだ
何度も言う 君がほしい
けれど 君が あぁ どこか
違うとこがあるとするならば
逆立ちしても届かぬ
箱に向けて信じきって手を伸ばして
疑ってかかる事もせず
砕け散る硝子
幸せになる為に変わっていく
だから俺は君と
同じ姿の自分で 同じ思いの笑顔で
十秒でいい 会ってみたかった と嘆くけれど
痛い 苦しい 悲しい 嬉しい さえも感じていないことにされる 心を持つことは報われない
次に君が生まれる日まで
ここで待つことができたなら…?
2012.02.28
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