LADY
息も上がる その黒い服の下 温もりが冷めていく
レースの隙間に浮かぶ赤い花
時が止まる 暗い君の髪に目が惹かれ
流れていく人の足並み崩し
近づく二十一時半
怯えた瞳が潤んで逃げ出す
揺れる髪 揺れる神
揺れる恐怖の狭間に置かれて捕らえた
小さな誰の花だろう?
息も上がる その黒い服の下
火照る肌 そんな花を暴いて辿る
舌先が触れた温もりは冷めていく
こんな時間まで一人 出歩く花
出会う花 出会ったやつが悪
いと運命を怨めばいい 君は花 誰の花 つんだ花
閉めた鍵を開けたいなら苦痛も我慢し
花びらの一部 欠けたくらいじゃ
死にはしないだろう
このままでいたいなら まぁ 構わない
抱きしめて 口づけて 愛を囁く
一度の間違いくらいは誰でも冒してる
神さえも犯してるから
ここを出たらどうするか考えて
がむしゃらに腰を動かす姿は
ブラウン管越しの画とよく似てる
冷めた目がよく似てる
こんな時間まで一人 出歩く花
出会う花 出会ったやつが悪いと
世間は同情しないと知っていた
君は そう知っていた
2011.11.06
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