先駆者の傘が撥ねる





窓の向こう 曇り空 天気予報は晴れ
降り出した雨が窓を叩いて泣いた


匂う蒸した土 荒れる風 進路は変わらずで
空っぽの冷蔵庫を埋めるには出かけるしかない


出鼻を挫くように撥ねる雫が足を汚す






もうあれはいつだろう 付き纏う 誰視点
にわかには信じ難い納税額に怯えるような


ままならない事だから 余計 我慢ができず
会えはしない 会いたい でも会わずにすんだとも思った


似た別の何かでも俺は もしも を見逃せない






騒音は蝉時雨 きっと必死に生きているんだろう
水が切れて萎れかけたところで降り出すのも雨

開いた傘が計るのは二人の距離
中らずも遠からず

時代という言葉で許されるなら誤ってしまいたくなる







2021.07.28

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