打ち込んだイロハ、たたん。

紅差し指で伸せた木苺の色は甲で拭っても残ってる
落ち切れないからあえて残し銜えた吸い口に移るイロハ

たたんたたん 打ち込むイロハ
たたんたたん 打ち込む音色は
たたんたたん 打ち込む色は
たたんたたん 打ち込まれた楔

初めての背伸びで色づいた
魔法はたいた頬 寄せれば香る虫媒花
上向くような意識
睫毛の後ろで閉じては開くたび輝く塗料

まだ早い そんなの要らない
まだまだ こんなのは違う
もう遅い なんにも知らない
もう後少し 芽吹くのは

梳かした髪を結い靡かす毛先の栗色が遊ぶ
螺旋に触れてみた
ふわりと跳ね除けて振り向いて笑った
目玉が転がっていくようだ

いつまでも覚えてるぜ 憧れていた未来を
いつまでも覚えていて 憧れていた最後を

彩りを着飾らせてみせて見違えた
今が布地に乱れ咲き目を惹く疎ましさ
乱反射した目が目にした鏡像
開けるまで中は保障できない

いつまでも忘れないぜ 浮き足立たせた事を
いつまでも忘れないで 浮き足立った最初を

紅差し指で伸せた木苺の色が甲で拭っても残ってる
窮屈な想いは戦場と同じで 手に入れたい 甘いイロハ

紅差し指に寄せた宝石の分散度は金剛を凌いでる
窮屈なようだ 永久不変ではいられない ひとのイロハ

梳かした髪を結い靡かす毛先の栗色が遊ぶ
螺旋に触れてみた
ふわりと跳ね除けて振り向いて消えてく
目玉は転がっていくようだ




2021.01.13

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