九回裏

振りたいのに振らないでいたい
崩れ落ちた土の城にまだ俺はいる


想像しよう
塁で誘う走る足に触れる瞬間
君の牽制史上
天を仰ぎ吠える君は眩しい



目指す先が終わりじゃなくたって
苦い思い咀嚼し直しても

目指す先が始まらなくったって

目指す先にあるから

打ちたいのに打ち損じている
立て直した土の城で君が微笑む


想像以上
塁で刺そう 君の肩が迷う瞬間
声の送球仕様
前を指そう 俺は君を信じる


だけど終わる為にある夢を見てる
君と見える世界はずれている気がしてた
勝ち抜けば勝ち抜ける

今日は明日の為にある
投げ勝てる 君はできる
いつか俺は

制球しよう
塁を及ぼし後手に回る それは循環

星の走塁事情
最後だぜ 勝ちは常に苦しい



目指す先に終わりがなくたって
苦い思い咀嚼し直したら

目指す先に俺はいなくったって

名指す 君は目指す先にいろよ

なぁ 後一人だぜ 腕を振れば届く距離

あぁ もう一度だけ
その位置を試してからにしよう

そうだ もういっそ
三塁まで歩かせて次で決めよう

もう一生このままでいそうだ
だけど




2017.10.22
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