irreversible krieg

「近づいたら遠くなった
 時間軸は変わらず。
 今朝のような、去年のような
 百年近く昔のような…」


「会いたいと思った時?」

  ↑

「会いたいから
 早く死にたいと思った」


  ↑

「死にたい!?
 俺は確かに生きてるはずだろ?」


「見慣れた地図に記された
 名前を名指し探す。
 目の悪さと誤魔化しても
 滲む文字は、俺を名指してた」


「会いたいと思う時?」

  ↑

「相手に綺麗ごとが浮かばない」

  ↑

「呆れられても
 昔のように聞分けたりはしない」


「逆らう度に睨まれた俺は
 行方知らずに手を伸ばした」


「足が縺れた瞬間を突いた事さえ
 許せぬまま」


「間に合えば変えられたのか?」

  ↑

「去れど、結末は同じ」

「目移りばかりの君だけはホラ
 だから夢なんだ」


「恥らうのは、根拠もなく
 移り変わっていくから。
 はい、いいえ、の永遠は
 錯覚に痙攣を起こしそうな程」


「会いたいと思う度?」

  ↑

「会いたい。
 けど、不意に苛立たしくなる」


  ↑

「苛立つワケは
 どうして此方が行く前提なのか」


「退屈でもなんでもない
 自己嫌悪は地続き。
 食わず寝ずも、息を止めても
 もう、少しも苦しくなかった」


「会えないと知った時?」

  ↑

「会いたいのに。
 大切にも思うのに…」


  ↑

「"大切な誰か"
 みたいな言い訳なんかしない」


「手を加える程でもない"予定"
 必然を要して止まって」


「名ばかりか日ばかりか程なくして
 どこへでも行けると思ってた」


  ↑

「どんなに望んでも貴方は死者だ」

「なんの為だか、なんか失くした。
 停滞気味のいつかを見たら
 思い立ち止まる、抵抗」


  ↓

「正常」

  ↑

「栄光」

  ↓

「なんの為だか、なんか託した。
 手痛い君がいつかを見たら
 思い止まるな、瞑想」


  ↓

「傾倒」

  ↑

「洗脳」

  ↓

「なんの為だか、なんだかんだで
 体裁たもつ事が全ての
 私から見れば、羨望」


  ↑

「迷走」

「でも、君も死ぬ」

「会いに来い、と思った瞬間
 生きていたい、と思った。
 今更だな。
 俺は、
亡国の霊

「忘れた頃にやり切れぬ傷を抉る。
 時は戻らないのに」


「もしもじゃなくて確かでもなくて
 それでも、君は信じるか?」


「俺は存在が価値だ。
 君も"俺"と変わらない」


  ↑

「ぞんざいな価値です…」

「"勝ち"などない。意味すらない。
 今更、会えてどうすればいい?」


「それでも好きだろ?
 俺以外、敵だと思えよ。
 俺も同じだぜ。
 好きになれた君に会えた
 これは価値だ」




2015.04.03
re arrange 2020.07.18
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