ドリームメーカーの恋人

月明かりと一緒に隙間を潜って(こんばんは)
「くがが」と心もとない寝息な今日も夢を覗き込む

いつだって気づかないだろう 毎晩のことだから
どうしても気づけないこと そんな気もしちゃいたけど
トントン、と叩くこともせずにスルリと透ける俺のこと
気づいたらどう思うんだろうな(ごきげんは如何ですか?)

眠り眠る時だけ安らいだ顔が見れることが嬉しくても
きっと
有り触れた一日の今日を生きたんだな

読みかけた文字 枕の隣 置いてけぼりで暗くなった
指紋で汚れた長方形から

いつだって気づかないだろう 毎晩のことだけど
どうしても気づけないこと 許せなくなりそうで怖い

「会いたいな」そう呟いた君 いつも会いに行ってること
気づいてもくれやしないくせに言うことがいいじゃねぇか

眠り眠る手前に吸い終えたメンソール 消しきれなかった
火種が残す
鼻につく匂いの量だけ耐えたんだな

読みかけた文字 枕の隣 置いてけぼりで暗くなった
指紋で汚れた長方形から夢を覗き会いに行く

月明かりと一緒に隙間を潜って(こんばんは)
「ううん…」と魘される 名前を紡いだ唇を塞いだら
読みかけた文字 枕の隣 置いてけぼりで暗くなった
指紋で汚れた長方形から夢を覗き込む

会えないことを残念がってる暇があるなら気がついて
指紋で
汚れた長方形から夢を除き会いに行く



2014.06.10
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